歴史のプライド

以前、外様の立場で否定的な意見を書いた京都独特の長ったらしい住所表記、「○○通り上る下がる」ってやつについて。

なぜそうなったか、さらに調べてみるとそこにも京都ならではの"プライド"の存在がチラホラ。面白いですねえ。

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まずは面白い事実関係を。区制を布いている全国の政令指定都市の中で、京都市は唯一同一区内に同じ町名が存在する都市なんだそうです。

例えば「亀屋町」。中京区に5つ、上京区に4つ、下京区に2つ、全部で11の「亀屋町」が存在します。

つまり、「京都市中京区亀屋町」と住所表記されても5つ有るうちのどの亀屋町か分からない。それを補完するために通り名を入れた住所表記で特定出来るようにしたんだとか。

それもこれも、全国に区制が布かれた時、他の都市は町名変更で対応したのに対して、歴史的な"プライド"を有する京都市は「どうぞやらはったらよろしおす。うちらはやらしまへんけど」って拒否ったから。

ときの明治政府も京都には逆らえなかった?

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それは1998(平成10)年に7桁の郵便番号が導入され、町域や大きなビルの階層まで特定出来るようになった時でも同じ。

「郵便番号?勝手にやらはったら。うちらは・・・」ってことで完無視。それが現行の「通り名は入れはらへんでもよろしおす。それがお国はんのルールどすさかい。でも京都にお住まいになるおつもりなら入れて貰わんと」という摩訶不思議なローカルルールに。

まあ見方を変えれば、それは住民による自治の歴史に対する"プライド"を今に伝える貴重な遺産なのかもしれません。確かに「京都らしい」ですから。

でも、一方で「歴史のプライドと言うなら今のは違うだろ?」と言う話も有り。色々と面白い京都。その話はまた今度。

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