金銭感覚

令和臨調。岸田さんが自ら掲げる「新しい資本主義」の実現に向けた政策検討のための諮問会議です。

そこでの議論も含め、今回具体的な対策として掲げたのが「電気代やガス料金の負担軽減」。いわゆるバラ撒き。その場限りの対症療法。そんなんだったら消費減税すれば済みなのに。

そして、その予算として計上したのが一般会計歳出として29.1兆億円。あのう、政府日銀がここ数日間で行った為替介入の総額は分かってるだけで10兆円ですよ。

"焼け石に水"の一時の円安阻止のために投入した資金が10兆円。それと比較して如何にも貧弱に見えてしまう予算規模。とんでもない額なのに。

何ともおかしな金銭感覚に引きづり込まれる今日この頃です。

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27・28日に開かれた日銀の金融政策決定会合。黒田さんはその結果として「大規模金融緩和の継続」を表明。

もはや変更出来ない(変更したらとんでもない痛みを伴う)袋小路に入り込んで、退官まで大過なく過ごすための当然の意志表明です。それを受けて当然円安に。

時を同じくして元政務官等が次々と援護射撃の寄稿をしてるのが面白い。「ホントに円安は悪いのか」「円安は国力低下の証しでは無い」「円安のお陰で国や企業がどれだけ潤ってるか」等々。

どうでも良いですけど、詭弁を駆使して問題の次世代への先送り。安倍政権以来の常套手段。「次世代に付け回しして何処が悪い」っいうオボッチャマ金銭感覚。どこまで引きづることやら。

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従来から為替介入否定論者のイエレン米財務長官が日本の為替介入について「聞いてない」と発言。

普通に考えればその発言を「何バカなことやってんだ」と言われたと取るのが妥当だと思いますが、大臣始め日本の政府関係者は「暗黙の了解」と解釈。皆さん良い性格されてます。

アベノミクスの錦の御旗のもと、「官製株高」に邁進して来た日銀。それと同じく今度は為替介入と言う形で「官製為替相場」をメーキングしはじめた日本政府。

両者とも自由経済の根幹を否定する所業です。神をも恐れぬ?そんな所業に対するしっぺ返しの恐ろしさは歴史に学べば分かること。

プラザ合意。いわゆる5カ国で協調してドル安に誘導するための為替介入合意ですが、その結果として何が起こったか。本来自由であるはずの経済、そこにある意図をもって「作った相場」を導入したことが引き金となり経済が暴走を始める。

まるで大自然に竹槍で歯向かうのと同じ。ドン・キホーテじゃあるまいし?庶民の金銭感覚と乖離した机上の理論は害悪です。

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